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10年8、9月釜山


10年8月30日から9月3日まで、船で韓国・釜山に行きました
ほとんど思いつきで旅に出ることを決めたのですが
行ってみればそれはそれは楽しく
4泊5日が1ヶ月にも思えるほど密度濃い時間を過ごして来ました

※文字化け防止のため、このページにハングルはありません
地名などにはルビを振りましたが、ハングルのカタカナ表記には限界があり
必ずしも正確ではないことがあります
※写真の上にマウスポインタを置いていただくと、簡単な説明文が表れます
また青いリンク枠のある写真は、クリックすると大きくご覧いただけます


思いつき

普段の私は、たまに入る仕事を最優先し、それ以外は日により時間により複数のアルバイトに奔走している。時に1ヶ月も休みがない時もあれば連休が何回かある月もあって、普通の会社員さんから見れば信じられないほど変則的。更に言えば、休みと言ってもそれは「まだ仕事が入っていない日」であって、レジャーに繰り出すというような開放感のあるものではない。

そんな日々にあって、8月最終週〜9月1週目にかけて複数のアルバイトが偶然休みとなり、月曜の午後から日曜まで、ポッカリとスケジュールが空いてしまった。これは、これはどこか行かねばなるまい! しかし世間はまだ夏休み。国内は混んでいて交通費も高い時期だし、とにかく暑い・・・そうだ、船に乗ろう! 行き先は韓国、ソウルは去年行ったので今回は釜山でどうだっ! そんな訳で、思い立ってから申し込みまで1週間足らず、手続き完了を確認したのはなんと2日前のことだった。


4泊5日+アルファ

8月30日(月) 朝バイト後新幹線で大阪行き、大阪港15時10分発フェリー【船中泊】
8月31日(火) 10時釜山港着、市内観光【ホテル泊】
9月 1日(水) 終日市内観光【ホテル泊】
9月 2日(木) 市内観光、15時10分釜山港発フェリー【船中泊】
9月 3日(金) 10時大阪港着、京都観光・兄に会う、22時京都駅発夜行バス【車中泊】
9月 4日(土) 6時30分新宿着、帰宅

と言うことで、今回は4泊5日+アルファだった。

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8月30日(月)

■主な旅程  15:10 大阪港出港 船中泊

*出発

主な旅程は上記のみなのだが、この日の朝アルバイトを終えてからの出発で、乗船までは1分を争うような慌しさだった。

 6:15〜8:30 アルバイト(通常よりも1時間早上がりさせていただいた)
         *旅支度をして原付でバイト先へ
 8:40 原付をバイクショップへ預ける(事前に手続き済み〜12ヶ月点検)
 8:48 JR乗車
 9:30 東京駅より、のぞみ23号博多行き乗車
12:06 新大阪到着
     JR大阪環状線〜大阪市営地下鉄「コスモスクエア」〜無料シャトルバス
13:30 大阪国際フェリーターミナル到着
     ※乗船手続きは14時までに!

原付を点検に出したのは、普段は1日でも無いと不便であるからというだけでなく、バイト後荷物を取りに&原付を置きに帰宅する時間が無い中で、駅まで徒歩数分のところに原付を乗り捨てて行けるから・・・であった。バイクショップの開店は9時なのだが、早めでも大丈夫とのご好意。

9:50発のぞみ103号がギリギリ間に合うラインだったが、結果としてそれよりも2本も早い新幹線に乗れて、以後は割りと余裕があった。

【昼食】 持参のおにぎり&お茶(新幹線内で)

★ツアー

釜山に船で行くには福岡からのビートル(3時間弱)が有名だが、今回は大阪港からのパンスタードリーム号(サンスターツアー)を利用した。サンスターツアーは大阪−釜山を結ぶ貨客船・パンスターフェリーの日本側集荷代理店で、往復のフェリーと現地ホテルがついた格安パック(今回は「4泊5日、東横イン釜山中央洞」)を販売している。15時10分大阪港出発、瀬戸内海を通り翌午前10時に釜山に到着。

【交】 ・サンスターツアー 29,500円
 (基本料金19,900円+燃油サーチャージ2,000円+フェリー内食事4食3,600円+ホテル・シングル部屋追加2泊分4,000円)


*大阪国際フェリーターミナル

上記の慌しさをくぐり抜け、そして猛暑の大阪での乗り継ぎも無事にクリアし、フェリーターミナルへ。本来ならば安堵のひと時のはずなのだが、ターミナル内の異様な雰囲気に気圧された。

「コスモスクエア」駅のシャトルバス待合所 フェリー乗船受付
大阪国際フェリーターミナル3F フェリーのチケット。「548」とは部屋番号

着いて初めてわかったことだが、この大阪〜釜山のフェリーの利用者は9割が韓国人。間違いなくまだ大阪=日本のはずなのに、そこは既に韓国だった。しかもタダの韓国ではない。海外旅行の最終日でテンションが高く、かつ釜山訛! 初めての韓国旅行がここからの出発だったら、韓国嫌いになる人もいるかもしれないな〜などと思っていたら、後日実際にそんな知人がいたことを知った。

ちなみに国民性なのだろうが、日本人と比べると韓国人は圧倒的に声が大きい。そして会話する時や列に並ぶ時など、人と人との距離が近い。知っていても若干引いてしまうのが気の弱い日本人(私)だが、何も知らなければ乗船手続きの列に並んでいるだけで「怖い」と感じても不思議はない。


*乗船

そんなちょっぴり不安な時間をやり過ごし、ようやく乗船。出国のスタンプを押してもらい建物から出ると、数百メートルだけバスに乗って大きな大きなフェリーの乗船口に着いた。

船は今年4月に船内見学した横浜の「氷川丸」とほぼ同じ大きさ=デカイ! 客室だけは、最も安いスタンダードだったため快適とは言い難かったが、共用部分のラウンジやサウナ(浴場)、レストランなどは揺れなければ船の中とは思えない。乗船時にはラウンジにて小編成の生演奏でお出迎え、階段の踊り場にはシャンデリア! 新しくはないが豪華さを感じた。タイタニックもこんな感じだったのかな〜。

「パンスタードリーム号」 エスカレーターで乗船
階段踊り場のシャンデリア フロント

行きの客室はフロアタイプの8人部屋。布団を広げられるスペースは6畳ほどしかなく、8人も寝られるのか疑問だが、フロントに確認すると本日は5人とのこと(乗客は定員の半数程度=300人強?だった模様)。しかし1人は下船まで現れず、途中部屋を変わった人(日本人Uさん・後述)もいたので、結局は3人で広く使えた。3人の内訳は日本人2人、西洋人1人。西洋人の若い女性は日本語ペラペラだったが、寝場所を確保した後はずっと同行の男性と室外で過ごしていた。私以外の日本人Sさんは同じツアーの参加者だったため、行動をともにはしなかったが帰りのフェリー・地下鉄まで一緒だった。

こんな感じで通路は狭い 548号室。8人部屋だが満員では窮屈だろう
TV下のコンセントで携帯の充電が出来た 「洗面台に食べ物のカスを捨てないで下さい」


*船内イベント

19時間もの長旅、船内では飽きさせないためのイベントが次から次へと行われている。

15:30〜17:30 映画上映、この日は「田禹治(チョンウチ)
18:00〜20:00 夕食タイム
20:15〜21:30 カラオケ大会
21:30〜22:30 バンドライブ

バンドライブ以外はレストラン「ムグンファ(無窮花(ムクゲ)=韓国の国花)」が会場で、つまりはココにいれば退屈せずに過ごせるようになっている。また、瀬戸内海にかかる幾つかの大橋通過の際には船内放送が入るので、デッキに出て美しい景色を堪能するも良し。

デッキ。船首方向を見て 舳先には行けず。ここまで
船尾方向を見て 船尾にはベンチ等がある

私も寝場所を確保した後は船内コンビニでアイスを買い、とりあえずレストランで映画を眺める。映画はカン・ドンウォンの話題作で見てみたかったが、既に上映途中だったので雰囲気だけ味わって船内探検へ(映画は字幕ナシで観客はほぼ100%韓国人。鑑賞中の感情表現が大きかった)。

レストラン「ムグンファ」 盛況の映画上映(「ムグンファ」にて)
とうきびアイス つぶつぶはややネットリな感じ

【間食】 とうもろこしアイス W700

船内至る所にある休憩スペース(ちょっとした椅子とテーブル)の一角では、数人の観客を前にマジックショーが行われていた。こちらは映画を楽しめない日本人が半数以上。20代半ばくらいの若い韓国人マジシャンが、トランプや小道具を使って目の前で見せるマジックを披露していた。プロだから当たり前ではあるがとてもお上手で、船旅気分を盛り上げてくれた。

デッキに近い休憩所。ここは人が少なくて穴場だった 吹き抜けからエントランスが見下ろせる
エントランスにもちょっとしたベンチがいっぱい テーブルマジック!

マジックを見終えてラウンジの方に向かうと、先ほどのマジシャンのお兄さんがベンチで一休みしていた。楽しかったです〜と話しかけると、釜山出身だという彼はとても親切に「釜山に行くならココ!」のようなリストを書いてくれた。今回の旅で初めての韓国語会話が弾んだことが、後のラッキーにも繋がったのだと思う。

明石海峡大橋 お兄さんの書いてくれたメモ。女の子が書く丸文字のようなハングル!
8月30日夕食 中はこんな感じ。円・ウォン両方使えるがウォンの方がお得(多分)

【夕食】 船内ビュッフェ ※事前申し込み制、ツアー料金と一緒に支払い


*ノレジャラン

ビュッフェの夕食後ラウンジに出ると、またもマジシャンのお兄さん発見。すると「ノレジャランに出ませんか?」。ノレジャランは直訳すると歌(ノレ)自慢(ジャラン)、つまり「のど自慢」。旅の恥はナントヤラで出るのも悪くないなぁ〜と内心思っていたので、お兄さんをダシにエントリー。時間までひとっ風呂浴びて、いざ会場のレストランへ。

その頃には仲良くなっていた同室のUさんが、旦那さんとまだよちよち歩きの女の子を連れて応援に来て下さった。多分、会場にいた日本人はこの一家だけだったろう・・・そう、このノレジャラン9組の出場者のうち日本人は私だけ。日本人は「(そんなのに)出るの?!」というリアクションが当たり前だものね。

私は中程で名前を呼ばれ、早口の司会者にあれこれと〜韓国語はどのくらい勉強しているのか、どんなところが難しいかetc.〜聞かれたが聞き取れないところも少々。きっと口ごもってポカンとしている様子もネタにされていたのだろう。で、韓国語で歌える数少ない歌の中から、チャン・ユンジョンのヒット曲「オモナ」を歌唱。1コーラスを終えたところで振り向いて司会者を見ると、人差し指を立てて2番も歌えの指示。ちょっぴり緊張しながらも楽しくフルコーラス歌わせてもらった。

「オモナ」熱唱中! 「特室」にてUさんご一家と記念撮影

入賞商品は1位「特室(スイートルーム・客室交換)」、2位「船内カラオケボックス無料券」、3位「ビール」・・・だったかな。正直、どれをもらってもあんまり利用価値がないな〜1人なのに個室を貰ってもつまらないし、カラオケよりも景色を見ていたいし、ビール飲めないし〜と思いつつも、見事1位「特室」をゲット! そこで、応援に来てくださっていたUさんご一家に、特室の鍵をお渡ししスイートルームを使ってもらったのだった。家族3人なのに男女別でお父さんだけ違う客室だったし、後でわかったことだが奥さんは2人目の赤ちゃんを妊娠中とのことだったので、ちょうど良かった。


*不思議サロン

ノレジャラン後、気分良くデッキを散歩していると「飲み物ご馳走しますから、ちょっと来てください」と韓国語で声を掛けられた。彼はテグ(大邱)の高校の先生で、顧問をしているバレーボールの交流試合が大阪であり、その帰りとのこと(道理で船内には妙に背の高いパガジモリ(オカッパ頭)の女学生達がいた訳だ)。同室の大学生がノレジャランで3位入賞し、彼と一緒に船上カフェ「夢」で飲んでいたら、さっきステージで見た私を見つけた・・・ということらしい。やっぱり旅の恥はかいておくものだ。ちなみにこの先生、一緒に飲んでいたのに3位の彼の名前を知らず「チョンガク(總角)!」(未婚男性のこと)と呼びかけていたのが非常に韓国らしくて印象的だった。

【間食】 柚子茶 W3,500 ※先生のおごり
     17茶(ペットボトル)、お菓子 ※先生のおごり

お言葉に甘えて柚子茶をご馳走になり、楽しくお喋り。が、ちょうどその時間、店内はバンドライブ(カラオケ+生ギターで歌)の真っ只中で会話が聞取れず、間もなく場所を船内の休憩スペースに移動。周辺にいた韓国人、日本人、アイルランド人、総勢10名ほどで夜中の12時過ぎまで、韓日英3ヶ国語飛び交う不思議なサロン?と相成った。最初に声を掛けてくださった先生は、東京に行った時には是非ともよろしく、そのためにも一度テグに来てください、もてなしますからと熱く語っていた。

船上カフェ「夢」 記念撮影・・・先生とコーチは部屋に戻ってしまった後

釜山到着前なのに随分と長くなってしまったが、それだけこの行きのフェリーは中身が濃かった。1人だったからこそ色んな人と話が出来たし、船旅だったからこそこんなにも道中を楽しむことが出来た。船で国境を越えるのはサハリンに次いで2度目だったが、時間のある方には是非ともおススメしたい。

★サウナ

このフェリーには、洗い場が7、8ヶある大浴場がある。船の中でゆっくりと入浴できるのだからそれはありがたいのだが、ここでもカルチャーショック。

 ・泳ぐ〜子どものみならず、60歳くらいのおば(あ)ちゃんまでも。同じ湯船に人(私)がいてもバタバタやっていた
 ・聞く〜外見では日本人なのか韓国人なのかはわからないだろうが、ここでも普通に韓国語で話しかけられた。孫と一緒に入っていたおばあちゃん。英語表記のシャンプー・リンス・ボディソープがわからなかったのか、品質に不安があったのか「これで顔を洗っても良いですか?」。いいんじゃないですか、私なら気にしませんが・・・と答えておいたが、後になって答えを訂正したくなった。顔はともかく、備え付けのシャンプー・リンスを使ったら髪がボッソボソになった
 ・洗う&乾かす〜韓国では風呂で洗濯をするのは当たり前のことで「洗濯はしないでください」と注意書きがあったが、それでも洗濯用の青く長い石鹸を持ち込んでせっせと洗っていた人が複数いた。そしてサウナ室には、大量の洗濯物が干してあった
 ・聞かない〜脱衣室にはドライヤーも付いていたが、使用方法が独特だった。クール・ホット等を設定して手元ボタンを押し続けると風が出るというもの。私は試行錯誤で使えたが、隣のおばちゃんはあれこれといじくるも使い方がわからない様子。一人で悩んで諦めるのは、まず間違いなく日本人。日本人ですか、と聞くことも無く日本語で話しかけて教えてあげた
 ・ロッカーはただの棚〜ロッカーはあるのだが全てカギは壊れていて、船が揺れるたびに扉がバタバタしていた

サウナ(大浴場)

・・・乗船の機会があれば、シャンプー・リンスとタオル、そして少々のことでは動じない「ケンチャナ(大丈夫)」精神を持って是非トライしてみて欲しい。そこには不思議な世界が待っているに違いない。

【交】 ・新幹線 東京〜新大阪 13,050円(金券ショップ)
   ・JR東海道本線 「新大阪」〜「大阪」
   ・JR大阪環状線 「大阪」〜「弁天町」
   *ここまで新幹線の切符でOK
   ・大阪市営地下鉄 中央線「弁天町」〜「コスモスクエア」 230円
   ・シャトルバス 「コスモスクエア」〜「フェリーターミナル」 無料
   ・パンスタードリーム号 「大阪港」〜「釜山港」 ※ツアー料金に込み


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8月31日(火)

■主な旅程  10:00 釜山港到着、ホテルチェックイン、釜山市内観光

*国境を越えて

早朝バイトのため5時過ぎの起床、猛暑の中1分を争う移動をこなして乗船、ノレジャラン、国際的なサロンetc.と、疲れきっていたはずなのだが、客室内の冷房がとても寒くて熟睡できず、6時前には起きてデッキを散歩。国内は大阪以西に行ったことのない私にとって、瀬戸内海〜四国、九州、関門海峡というあたりは目的地・釜山にも劣らないビューポイント。出港後間もなく通過した明石海峡大橋や瀬戸大橋はしっかり写真に収めた。関門海峡は未明(3時半頃)に通過予定なので帰りにとっておくことにする。

【朝食】 船内ビュッフェ

レストランでのビュッフェは韓国料理ベース。私は韓国料理が好きだしそもそも好き嫌いはほとんど無いのだが、もし次回この船を利用する機会があるのならビュッフェは頼まない、かな。船内で単品メニューを頼めるようなところは無いのでちゃんとした食事を摂りたい場合は事前に頼んでおくように、とツアー申し込み時に念を押されてビュッフェをつけたのだが、料金を考えるとイマイチな内容だった(往復朝晩計4食で3,600円)。とくに帰りならば、釜山で美味しいキムパプ(海苔巻き)やトク(餅)を買って持ち込めば、安くて美味しい釜山の味を最後まで堪能できただろうから。

8月31日朝食 対馬だ!!

対馬が見えたら、もう釜山はすぐそこ。同室だったSさんとはホテルまで一緒に行くことにし、下船の準備。領海ということで言えばほんの1、2時間前までは日本だったはずなのに、すでに1週間も旅したような、そんな船内だった。釜山観光は楽しみだが、ここも立ち去り難し・・・

下船準備エスカレーターで船を下りる釜山港はターミナルまで、長い!「カッチガー(待ってー!)」
「出口はコチラ」と出てはいるけど、道は1本のみ・・・外に出たぞ暑いな〜これが「国際旅客ターミナル」
ようやく到着入国審査釜山国際旅客ターミナルを出て、いよいよ市内へパンスタードリーム号としばしお別れ


*釜山到着

大阪よりも数倍大きい釜山の国際フェリーターミナルに安堵(大阪が小さすぎる)し、簡単な入国審査後釜山の地を踏んだ。闇両替のおじさんがすかさず寄って来るが、無視して一路ホテルへ。一緒に行ってくれたSさんは、このツアーで何度か訪れたことがあるとのことで、徒歩15分ほどのホテルまでの道を案内してくれた。しかし、暑い! 事前に週間天気を調べたら、最高気温が30度手前だったので避暑を期待していたのだが、これでは東京と変わりないではないか! 大汗をかきつつ、ホテルに到着。

ホテルに行く途中通りがかった「釜山警察署」 警察署の向かいには「釜山消防署」

チェックインは16時以降なので、荷物だけ先に預かってもらおうとフロントへ。ちなみにホテルはお馴染み・東横イン。せっかくなら多少ボロくても現地の情緒を感じられるところが良かったが、ツアーで決められているので仕方ない。ま、サービスの基準がわかっているので便利ではある。またフロントは日本語OKなので、いざという時に心強い・・・そう、まさに「いざ」という時を体験してしまった。


*トラブル発生

「今日チェックインするクワジマです、先に荷物だけ預かってもらえますか?」と頑張って韓国語で話しかけるが、お名前を確認できません、ご予約がありませんとのこと。船とホテルがセットになったツアーなのでありえないからと主張し、手持ちの資料に書いてあった「緊急連絡所」なるところに電話をしてもらう。するとそこはフェリーに関する問い合わせ場所で、ホテルについてはここではわからないというではないかっ(韓国人が日本語で対応していて、それもまだるっこい)! 仕方ないので大阪の番号をそこで聞き、今度は大阪に電話。今度は話のわかりそうな大阪弁のおっちゃんが出て言うことには・・・「すみませんね、コチラで入力するの忘れてたみたいです」!!! 

ここでブチ切れてはこの後の旅がつまらなくなるだけだ、と爆発しそうな怒りを何とか我慢。直ちに大阪で入力してもらい現地フロントのPCで確認、OK。・・・かなりかいつまんだが、現地での貴重な時間をこのトラブルで30分は損した。「緊急連絡所」なのに「緊急」に対応できない番号記載してあることもどうかと思うが(直しておきますー、との返事)、実は予約時にも「予約完了」の連絡が来なくてイライラドキドキした。船旅自体はとても良いものだけに旅行会社としては非常に残念である(ココ見てるかなぁ、見てないだろうなぁぁ)。


*釜山はハナロ

初っ端にミソがついてしまったが、気を取り直して観光へ。まず私がやらなければならないのは、交通カードにチャージをすることである。去年ソウルに行った際に大活躍してくれた「ティーモニー・ソウル・シティ・パス・プラス(以下T-money)」を持参、釜山でも使おうという訳だ。しかし問題が1つ、その名の通りT-moneyはソウルのカード。現在は釜山でも使うことはできるがチャージできる場所はまだ限られているというのだ。釜山では同様の交通カード「ハナロ・カード」が主流らしい。スイカ(JR東日本)とイコカ(JR西日本)の関係のようだ。

出発前にチャージできる場所を調べたところ、ホテルから徒歩圏内では釜山駅そばに2箇所ほどあるらしい。これから行く南浦洞(ナンポドン)とは逆方向になるが、今入っている金額では1回も乗車出来ないと思われるため、徒歩10分強の釜山駅へ。
釜山駅近くにある中華街。この辺り夜は治安が悪いとガイドブックには書いてあったが・・・ 釜山駅の向かい側にあたる商店街。コジャレた店も多い
その一方で、こんな庶民的な食堂も 「ママストア」。ゴチャゴチャしていてわかりにくい


釜山もソウル同様、地下ショッピングセンターが発達している。その中にあるであろう「ミニスーパー」の場所を案内のお兄さんに聞いてみた。するとミニスーパーを知らなかったのか私の発音がダメだったのか、地下ではなく駅前にあるもう1箇所のチャージ可能店「ママストア」の場所を教えてくれた。

ママストアはその名とは裏腹に、コンビニよりも狭い店内に2人のアジョッシ(おじさん)。レジにいた方にチャージをお願いすると、もう1人のアジョッシに「T-moneyのチャージ出来たっけ?」と尋ねていた。やはり釜山でT-moneyは珍しいのかな。それでも無事、30,000Wチャージ完了。後で写真を見てわかったが、正面に立っている赤い看板や店のガラス戸などにちゃんと「交通カード充填(チャージ)」と書いてあった。が、ハングルが読めないとここに辿り着くのは難しそうである。

【買】 T-moneyカード チャージ W30,000
     *以後の地下鉄はT-moneyカードで支払い


*南浦洞(ナンポドン)

釜山駅から地下鉄1号線に乗り、南浦洞駅へ。釜山銀行で両替後、書店で地図等購入。ソウルでも地図を購入し、現地での街歩きやその後の行き先確認などに使用して便利だったので今回もまず地図をゲットしようと思ったのだが、結果的にこの地図は失敗。後に観光案内所で貰った無料の地図とほぼ同様のものであった(写真参照)。また徒歩でも近い隣駅のチャガルチ市場は、なんと「最終火曜日」につき定休日に当たっていた。釜山の出だしは宜しくない。

南浦洞駅すぐ、ロッテ百貨店の向かい側にある韓方材料店魚介を扱う店が軒を連ねる。左手奥にはカモメをイメージした屋根のチャガルチ市場(シジャン)が見えるが・・・しかし、休みだったOrzチャガルチが休みでも、すぐ隣で市場が開かれている
その場でさばく左から「星の王子さま(直訳「幼い王子」)「みにくいアヒルの子」「釜山旅行地図」左が買った地図、右が観光案内所で配布している地図全く同じ絵が使われている。繁華街を抜き出した部分図も同様

【両替】 \40,000→W559,300(手数料なし)
【買】 釜山地図(W3,000)、CDブック(W6,500)、「星の王子さま」(W5,000)

最初の食事は釜山名物のミルミョンに決定。冷麺風ではあるが麺が黄色の小麦粉麺で、日本人には冷麺よりも食べやすいと思われる。そしてお茶のようなユクス(肉のだし)も美味しかった。これで日本円にすると300円程度なのだから、たまらない。そしてデザートに、そこから徒歩数分のパッピンス(氷あずき)屋台へ。前回のソウルが冬だったため、今回パッピンスを食べるのを至上命題としていたのだが、ミルミョン直後のお腹には想像以上のボリュームで非常に苦しかった。おばちゃんが「氷お代わり上げようか?」と言ってくれたが、残念ながら到底入らず「ケンチャナヨー(大丈夫です)」と言ってお断りした。

釜山でミルミョンと言えば!「ハルメ・カヤミルミョン」 一食目にして、旅行中で一番美味しかったかもしれない
とっても大きなパラソルでよく目立つ「パッピンス通り」 一所懸命かいてくれる
こんもり!スゴいボリューム 自家製という小豆は甘さ控えめ

【昼食】 ミルミョン W4,000
【デザート】 パッピンス W3,000


*市場(シジャン)めぐり

この界隈、市場がいくつも連なっていて絶好のショッピング・スポットとなっている。店構えに対して圧倒的に商品が過剰で、ドンキホーテも真っ青なほどのジャングル状態。圧倒されつつ国際市場(クッチェシジャン)、富平市場(プピョンシジャン)を散歩するが、東京と変わらぬ暑さに帽子を1つ購入。帽子店のおばちゃん、冷たいお茶を持ってきた後はうちわで扇いでもくれちゃって申し訳ないほどサービスが良い。あれこれと選んでいる際に歳は幾つ?20代?と言われて思わず「サランヘヨー(愛してます)!」。

こんな屋根のあるところも鍋が山積み通りからは釜山タワーが見えるポイントも目にも鮮やかなトク(餅)
オデン屋台発見!市場近くの店舗。季節の果物が安い!プンオッパン(たい焼き)の型出たーーー((((;゜Д゜)))

【買】 帽子 W14,000のところW10,000

水汲みの子ども達船を浮かべてポン!釜山タワー近く。踊り場にはアコーディオンを弾く人

釜山といえば、映画祭。その会場となるPIFF広場(ピプクァンジャン)も南浦洞にある。最初は気づかなかったのだが、PIFF周辺の屋台のパラソルにはデザイン化された「PIFF」の文字が入っていた。光復路(クァンボンノ)は緩やかにカーブした細めの通りに銅像があったりしてアーティスティックな雰囲気で、ナイキやアディダス等のスポーツブランドやお馴染みのコスメショップ等、オシャレで最先端のショップが軒を連ねている。カオス状態の市場から徒歩10分と離れていないのに・・・不思議。

PIFF広場のメイン通り背の高い建物(映画館)に囲まれている近くには芸能人の手形もイ・ジュンギの出世作「王の男」のポスターと、デザイン化された「PIFF」の文字がいっぱい

【買】 土産&自分の化粧品あれこれ W50,700


*龍頭山公園(ヨンドゥサンコンウォン)

光復路を南浦洞方面に向かいつつ、コスメショップで買い物。そして釜山のシンボル・龍頭山(ヨンドゥサン)タワーへ。ちょっとした小山である龍頭山には、光復路から道端に唐突に現れるエスカレーターでタワーのある山頂広場まで行くことが出来る。広場では多くの市民(中高年)が休憩したり碁を打ったりしてのんびり。カメラマンと思しきおじさんに写真を撮ってあげると声を掛けられ、お言葉に甘えた。

エスカレーターで上る山。江ノ島エスカーのようなものか??でも、無料市内の至る所からも良く見える「釜山タワー」山頂の広場では碁を楽しむ人がいっぱい降りる時は階段で。その途中でも碁を打つ市民
エチュードハウスにて。購入したのは上にあるクリームとリップ各1で下はオマケのサンプルミシャにて。購入したのは左側のクリームとマスカラタワーからの展望。右側のカモメのような屋根がチャガルチ市場、奥に掛かるのは南港大橋釜山駅方面

【買】 龍頭山タワー入場料 W4,000
【休憩】 ペットボトル「オクスススヨムチャ(とうもろこしのヒゲ茶)」 W1,500

いったんホテルに戻って(徒歩)チェックイン。簡単に荷物を整理して、今度は釜山の繁華街・西面(ソミョン)へ!

【交】 ・地下鉄1号線 「中央洞」〜「西面」


*西面(ソミョン)

西面地下のショッピングセンターを歩いていると、知らないうちに次の駅である「釜田(プジョン)」に出てしまったようで、そこから地上に出て釜田市場を迷いながらグルグル。南浦洞の市場は縦横整然となっていたが、こちらは放射状に市場が広がっていて、方向がなかなかつかめない。ガイドブックの大雑把な地図と勘を頼りに、何とか西面に戻ることが出来た。しかし韓国は市場が豊かだ。いや市場ばかりでなく道端で売っているものまでも安くて新鮮。季節だからか、ぶどうがカゴいっぱいに盛られて(4、5房?)3,000ウォン等。東京に戻るのが嫌になる。

地下鉄「西面(ソミョン)」「西面地下商店街(ソミョンチハサンガ)」靴売り場。す、すごい至る所にある「右側歩行」の看板。が、一向に定着していない様子
釜田市場(プジョンシジャン)のおかゆ屋さん観光客は少なく、南浦洞よりも地元密着型。中央上の札は「おばさん(パート女性)求む」同じ配色。このハングル3文字で「タイソ」スチョセット。箸はともかく、カーブのない一直線のスプーンは非常に使い易い

途中日本でもお馴染みのダイソーで髪を結ぶゴム(500ウォン)と自分土産のスチョ(箸とスプーンのセット・1,500ウォン)を購入。レジで「袋は要りますか」というようなことを早口で話しかけられ、一瞬聞取れず???となっていると、店員さんが「フクロハ・・・」と日本語で言い直してくれた。大抵袋は有料。

【買】 ダイソー2品 W2,000

夕食はロッテ百貨店裏にある「済州家(チェジュガ)」で、「うにの吸い物定食」。辛くて味の濃いものが多い韓国料理にあって、スープは拍子抜けするほどあっさり。一緒に出てくるのりを入れて食べると塩分とコクが増して美味しさがUPする。イワシやキムチのミッパンチャン(常備菜)はお代わり自由、これで7000ウォン。美味しくて是非お代わりしたかったが、昼の満腹が続いていて断念。

観光ガイドでもお馴染みのお店。名物のおばあちゃんもいらっしゃった店内は新しくキレイだった「うにの吸い物定食」磯の風味豊かであっさりなお味。一緒に入っているのはワカメ

【夕食】 うにの吸い物定食 W7,000
【交】 ・地下鉄1号線 「西面」〜「釜山」


*垢すり(テミリ)初体験

西面から地下鉄1号線に乗り、ホテルのある中央洞の1つ手前「釜山」で下車、「青山宝石岩盤浴(チョンサンポソガムバンニョク)」へ。普通のチムチルバンでテミリ(垢すり)を頼めば多分半額程度になったのだろうが、そこはビギナーなので今回は日本人客が多いという無難な所を日本で予約して行った。

私が行った時間(20時)は見えるところに他の客はおらず、専用状態(帰る頃にはあちこちで日本語が聞こえていた)。アジュンマ(おばちゃん)が4、5人いて施術中はお喋りに花が咲いていた。ヨモギ蒸しで暑くて死にそうになっている時に「トク(餅)食べませんか?」と勧められたのには閉口したが、皆フレンドリーで良い人達。

Cコース〜
特殊サウナ(宝石房+入浴)→ヨモギ蒸し→フェイス栄養マッサージと韓方パック→アカスリ(全身人参オイルマッサージ)→シャンプー・・・だったかな。料金表では1.5時間となっていたが、店を出たのは22時頃。たっぷりとやってもらえた。アカスリは初体験だったが、噂どおり「オキャクサン、アカガイッパイネ」という決まり文句も聞けて満足。クーポン割引で68,000ウォン。日本の半額以下だろう。帰りはホテルまでの送迎(無料)を頼んだので、楽チン。

「青山宝石岩盤浴」。フロントで記念撮影 コンビニでの買い物。左から、コーヒー、「自然はアロエ」、「とうもろこしのヒゲ茶」(タワーで飲んだのと同じ)


【買】 青山宝石岩盤浴 W68,000
    コンビニ 飲み物3種 W4,800

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9月1日(水)


■主な旅程  市内観光〜MBC見学〜「JUMP」鑑賞

*早起きは三文の徳

丸1日滞在できるのは、実はこの日しかない。少しでも早起きして出かけようと思っていたのだが、昨夜のアカスリでまったりしたところに出発時の疲れが重なったのか、普通の時間になってしまった。そんな訳で予定外ではあるが朝食をとるべく2Fの食堂へ。どうせすぐに外で食べるのだから簡単に飲み物だけでいいかな〜と思っていたら! 宿泊者に無料サービスされる朝食に、コーヒーは含まれていないのだ。たかが100ウォンだが有料とは(しかも自販機)。韓国のコーヒーが高くて不味いのは有名なことだが、こりゃビックリだ。

【朝食1】 ホテルのモーニング(パン、ジュース)

日本と同様のホテル私には広々サイズのベッドバスルームエアコンのリモコン。読めても上手く使いこなせず、寒いか暑いかだった
ホテル2Fの食堂。風情はないが便利ではある観光よりもビジネスっぽい人が多いすぐ食べる予定なので、ごく軽めに・・・部屋からの眺め。一応オーシャンビューだが窓が汚れている

この日の朝食もそうだが、今回の旅行では予定と違って変則的に動いているところが結構あった。例えば西面は今日行く予定だったが昨日のうちに行ったし、その分予定に無かったヌリマルに行こうとしている。気ままな一人旅、予定もあってないようなものでどこに行こうと自由だが、何も知識が無いまま出掛けるのは危ないし効率的でない。と言うことで、出発前にエントランスにある共用のPCで簡単に調べ物をしていた時のこと。

大阪弁のおっちゃんが2人、先ほどから大きな声でフロントのお姉ちゃんと話していたのだが、その矛先が私に向いてしまった。そして日本語でPCを使うにはどうすれば良いのか等、あれこれ聞いてくる。それこそフロントで聞いて欲しいな〜と思いつつも、一応親切に、基本的なことは教えてあげた。すると、自分達はこれからKTXでソウルに行くけれども釜山駅までホテルの送迎車が出るから一緒に乗って行きなさい、ということになってしまい・・・断りきれず、同乗。この時点では一期一会のつもりだったが、このおっちゃん2人組とは帰りのフェリーも一緒だった。

釜山駅でおっちゃん達と別れ、そこから地下鉄で南浦洞へ。さっき食べたばかりなのに、2度目の朝食を求めて国際市場内にある「トルゴレ」へ。安くて旨いとネットでリサーチしていた店だ。

店名は「イルカ」の意。由来は・・・不明である。朝食時間にはちょっと遅かったせいか、店内は私を含めて3組。うち1組は日本人だった。3,000ウォンのスンドゥブチゲは、見た目ほど重くなく朝食にピッタリ。しかし、安いなぁ!

「トルゴレ」は国際市場の一角にある メニュー。どれも安い
ご飯は少なめにしてもらった(が、十分多い) 店内はこんな感じ
食べているところを鏡越しにセルフタイマー撮影してみた 階段入口にある黄色い看板の裏には・・・「たびたび来てください!」

【交】 地下鉄1号線 「釜山」〜「南浦洞」
【朝食2】 「トルゴレ」スンドゥブチゲ(ご飯少な目) W3,000


*マトゥ〜お買い物天国!

満腹になったところで地下鉄乗車。昨日行った西面で乗り換えて釜山の東側、地下鉄2号線の終点から2つ目「中洞(チュンドン)」駅へ。

【交】 地下鉄1号線 「南浦洞」〜「西面」で2号線乗り換え〜「中洞」

「中洞」駅 「E-MART」海雲台店

中洞駅前には「E-MART」なるマート(マトゥ)がある。韓国の店はマート(マトゥ)>スーパー(シュポ)>コンビニ(ピョニジョム)〜かなり端折ったが〜で、日本でマートというと小さなスーパーほどの感覚だが「マトゥ」は巨大ディスカウント店であることが多い。ここもソウルのロッテマートほどではないが、食料品から生活雑貨まで揃っていて尚且つ安かった。ここぞとばかりに、海苔やお菓子を大型のカートにどんどん入れてお買い物。ブランド品を買い漁る趣味はないが、こういう買い物は大好きだー! 土産物を一気に片付けて一番大きな買い物袋がパンパンになるほど購入したが総額4000円ほど?!(写真は購入品の一部)

大定番・海苔。上から見ているのでわかりにくいが、10袋パックが2つ。これだけでスーツケースの場所が埋まるチンして美味しいホットク。前回ソウルで買った土産でヒットだったのでチョコレート。左から「柑橘」「紅参(高麗人参)」「(普通の・・・)」スキンフードのハンドクリーム。この売り場は店員が後ろを付いてきてうざったく、商品が決まるとサンプルと一緒にレジ用ケースに入れられた

【買】 E-MART お土産等色々 W55,600


*海雲台(ヘウンデ)

今日最後の予定は20時開演の「JUMP」鑑賞。この会場が「海雲台グランドホテル」なので、重たい荷物は夜までホテルに預かってもらおうという算段である。中洞と海雲台は隣駅だが、ホテルは海雲台の名がついてはいても実際にはその先の冬栢(トンベク)に近い。よほどタクシーに乗ろうかとも思ったが、街並みを見る良い機会と頑張って徒歩で到着。実際、途中には背の高いアパトゥ(マンション)・特級ホテル群や景勝地・海雲台ビーチなど特徴的な景色を見ることが出来た。

海雲台(ヘウンデ)の海岸。西洋人の姿を多く見かけた 「海雲台グランドホテル」


*ヌリマルAPECハウス

ホテルに荷物を預けた後は、ここから徒歩2、30分の「ヌリマル」へ。ヌリマルとは2005年に開催されたAPEC国際会議の舞台となった場所で「世界の頂上」を表す固有語。ヌリマルがある冬栢島(トンベクソン)にかかる橋を渡ると、そこは世俗から切り離された異次元の世界のよう。建物内部には、立つ位置によって聞こえる言語が違う「多国語広報システム」、国別のカードをかざすとその国の関連映像が流れる「メディアボード」等最先端の技術が使われている。もちろんメインの円形会議場にも入ることが出来た。こんなところが通常は一般公開されていて誰でも自由に(しかも無料)入ることが出来るなんて、貴重だ。

★ヌリマルについて詳しいサイト「Dynamic Busan

冬栢島(トンベクソン)への唯一の道橋を渡るとほどなく左手に見えてくる「ウェスティン朝鮮釜山ホテル」ホテルから少し歩くと見えてくるドーム球場を小さくしたような外観
エントランス「多言語広報システム」「メディアボード」カードをかざすと、その国の関連映像が映し出される
円形の会議場「Japan」のプレートが見える絶景が館内からも塀にカメラを置いて・・・


*初タクシーで釜山MBCへ

次は「15時・釜山MBC」。海雲台方面からはバスが出ているそうだが、良くわかないし時間も無いので初めてタクシーを利用した。もちろん私が利用するのは模範タクシーではなく格安の一般タクシー。観光客にはメーターを使わないで料金をふっかけるとか遠回りする等良い話は聞かないのだが、試しに一度くらいは乗ってみようと思っていた。ちなみに、一般タクシーの初乗りは2,200ウォン。バスや地下鉄も安いから比較としてはそんなもんなのだろうが、東京の4分の1以下とは。

空車(ピンチャ)はいっぱい通っているので捕まえるのは簡単。自動ドアに慣れた日本人は自分でドアを開けるのを忘れずに。行き先を告げると難なく出発した。今日は暑いですね、MBCまではどのくらいかかりますかetc.世間話をすると、もしかしてお客さん韓国人じゃないねとはじまり、それからは運転手さんの方からあれこれと話し掛けてくれた。釜山に来たらウチのタクシー利用してくださいね、オレンジが目印よ。悪いタクシーもいるから気をつけて、と言って名刺のようなカードを渡された。釜山MBCはちょっとした山の上にあり、東京のTBSを思わせる。ここまで乗車10分少々、料金は3,200ウォンだった。

タクシー車内 「釜山MBC」


【交】 一般タクシー 冬栢付近〜釜山MBC W3,200

韓国の3大放送局の1つ、MBCの釜山局である。一般の見学者は随時受け付けているようだが、私は外国人ということで特別に日本語が多少わかる広報担当の社員さんが待っていてくれているのだ。同じように見学の問い合わせをしたKBSはナシのつぶてだっただけに、MBC及び担当KHさんには大感謝である。

KHさんは入社まもない若い女性社員だった。体格の良い韓国人にあって、非常に小柄で可愛らしい。案内する内容も従来のコースではなく、その時に回れる場所を彼女が自分でチョイスして決めていた。日本語でまとめたメモを握りしめ、私をもてなそうと一所懸命さが伝わる。1時間強、公開放送のスタジオや資料室などを案内してもらった。私が知る数少ない日本の放送局と比べると、非常に静かで人も少ないように感じた。そういう場所を案内されただけかもしれないが。

たびたび立ち寄ったレコード室の女性社員と記念撮影。仲良しの彼女達、夜の「JUMP」公演までの過ごし方などを一緒に考えてくれた。若い女の子同士の会話に入れてもらったのは、もしかすると放送局見学並みに貴重なことかもしれない。

釜山MBCレコード室にて。右がKHさん 子どもの見学者用ノート「釜山MBCに行ってきました!」


*広安里(クァンアルリ)

今回の旅行中、何度か聞かれた質問がある。「韓国語はどんなところが難しいですか?」。細かいことを考えれば他にあると思うが、韓国語でパッと返すのに適当な答えは「パルム(発音)」である。その際よく例に挙げたのが、「広安里(クアンアルリ)」。日本人が苦手なリウル(「己」みたいな形の子音)が重なっており、更にそれは発音変化によって至ったもので、最初のハングルだけを見ては間違え易いのだ。で、前置きが長くなったが、MBCの後はその広安里の海辺(パダッカ)を散歩した。

民楽(ミルラク)水辺公園付近広安里大橋(クァンアルリテギョ)を正面に見て・・・ちょっぴり自己主張初秋のビーチ砂浜のすぐ近くまで普通の街並みがある

フェリーで釜山の見どころを教えてくれたマジシャンのお兄さんも、広安里は是非!と言っていたが、広安大橋(クアンアンデギョ)も美しく、曇り空で海水浴にはもう遅いシーズンでものんびりした気分になれる。今日はかなり歩いて足が痛かったので、靴を脱いで裸足で波打ち際を歩いたら随分元気になった。

更に歩いて地下鉄の乗り場を探しているうち、見学できなかったKBSが見えてきた。地下鉄「南川(ナムチョン)」駅には「(KBS)」の表示もある。ここで地下鉄に乗り海雲台に戻る。

「KBS釜山」 地下鉄「南川」駅


*そして海雲台

【交】 地下鉄2号線 「南川」〜「海雲台」

20時の「JUMP」公演まではまだ間があるので界隈を散策。海雲台駅近くのファッションビル「スポンジ」は、東京・渋谷なんかを見慣れていると当たり前というか物足りない感じすらするが、この手の商業施設は釜山では珍しいようだ。海辺に向かって行くと、釜山で一番美味しいと評判のパン屋を発見しちょっぴりお買い物。

地下鉄「海雲台」駅 パン店「OPS」

【買】 パン3個 W4,300

そしてここでも市場。「海雲台市場」は通り1本のみで小ぢんまりしているが、落ち着いて見られるので良い。市場の一番端にあった屋台でコングクスを注文し夕食とする。コングクスのコンは豆。写真でもお分かりいただけると思うが、スープは白くほとんど豆乳そのものだった。味は・・・悪くは無いが、相当な豆好きじゃないとキツイと思われる。

海雲台市場 夏季限定の味「コングクス」


*「JUMP」

市場から昼に荷物を預けた海雲台グランドホテルに向かう。暮れ始めた海辺の街にはキレイなお姉さんが道端に立ち・・・! 花火大会でも有名な広安里は夜景もきれいで夜遅くまで観光客やカップルが絶えない=夜でも安全だけれど、その隣の海雲台は危ないと聞いていた。それはこういうことなのか・・・?!

ホテルに着いたのは、開場時間ちょうどの19時30分。受付で予約のチケットを受け取ると、なんと座席はB列15番! 前から2列目のど真ん中である。後でわかったことだが、日本のサイトで予約をして行くと良い席に当たる確率が高いらしく、空席が目立つ客席の中でも私の隣・後ろは日本人観光客だった。

客席に向かうと、入口に立っていた案内のお兄さんが何も言わないのに「いらっしゃいませ」と日本語で話しかけてくる。そして私が持っていたパンの袋を見て、場内は飲食不可なので預けるように、とのことだった。クローク兼売店にパンを預けて戻った際、どうして日本人だとわかったのか尋ねてみたが、マニュアルに無い日本語だったためか笑ってごまかされた。

昨年ソウルに行った際は「ナンタ」を観た。日本の観劇料金よりもはるかに安く、とても良かったので今回も是非舞台を観よう!と、釜山で常設公演を行っている「JUMP」のチケットを取ったのだ。

海雲台グランドホテルの地下が劇場になっている終演後のサイン会パンフレット出演者紹介の自分の写真にサインをしてくれた。右下の彼はハラボジ(おじいさん)役で凄い老けメイクをしていたのだが、こんな若者だったとは!

「JUMP」は「ナンタ」と同じく、台詞が無くとも楽しめるノン・バーバル・パフォーマンス。「平凡に生きよう」が家訓の、全然平凡じゃない武道一家の物語・・・ストーリーはともかく、目の前で体操のオリンピックみたいな技が次々と繰り広げられ、凄いのひと言。B列は前から2列目だが1列目に人はおらず実質一番前、汗が飛んできそうなほどの至近距離で堪能した。

開演時客席に登場する謎の老人の「お客いじり」では出易い前列に座っていたためか、謎の老人と目が合い(!)参加。老人が舞台に上がる際にお尻を押し、脚を持ち上げてお手伝いさせてもらった。ギャグは昭和のドリフを彷彿とさせる王道・古典的なもので、誰が観ても楽しめる舞台なのではないだろうか。終演後はサイン会が行われ、私もパンフレットを購入して全員からサインを貰った。

【買】 「JUMP」入場料 ¥3,000(日本で支払い)
    パンフレット W7,000

「冬栢(トンベク)」からホテルのある「中央洞(チュンアンドン)」までは途中「西面(ソミョン)」で乗り換えもあり、数十分の道程。ホテルに着くと23時を回っていた。眠い。

【交】 地下鉄2号線 「冬栢」〜(「西面」で1号線乗り換え)〜「中央洞」
【買】 コンビニ・セブンイレブン ジュース&アイス W1,700

ホテル隣のセブンイレブンで購入「アップルパインバー」

★海雲台(ヘウンデ)

高層の特急ホテル群と緩やかにカーブする砂浜の景色。海雲台は釜山のみならず韓国の有名リゾート・観光地である。2009年、この地をタイトルに冠した映画が公開されて大ヒットしたが、その映画が今秋日本でも公開となった。

  高さ100m、時速800km アジア最大の“メガ津波”襲来!

こんなキャッチフレーズで公開中の映画「TSUNAMI」の原題は「海雲台」。今回私が行った釜山のビーチが舞台となっているのだ。2010年9月現在映画は未見だが、もし観た後に行ってたら美しさだけでなく恐ろしさも感じただろうか。

実は帰りのフェリーでの映画上映はこの「海雲台」だった。その時は「海雲台」=「TSUNAMI」だと知らなかったし観ることは無かったが、結末だけ知りたかったなぁと今にして思う。何故結末だけかと言うと・・・だって、怖いじゃない!

★映画「TSUNAMI」公式サイト

海雲台の砂浜


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9月2日(木)


■主な旅程  15:10 釜山港出港 船中泊

*台風7号「コンパス」

ホテル1F共用部には洗濯&乾燥機が各3台あり、自由に使うことが出来て便利だった。前日洗濯〜乾燥機にかけておいたものを早朝回収し、荷造り。正直、解消されないまま加算されていく寝不足はかなり辛いが、今日の昼にはもう釜山ともお別れである。

これまではずっと晴れて暑かったが、この日は台風7号「コンパス」の接近で朝から雨が降っていた。テレビニュースによると、どうやら台風は韓国の南西側に接近、済州島などは大荒れのようだが、南東の釜山への影響は少なそうだ。フェリーなので揺れは気になるが運行には支障ないようで一安心。

テレビの台風中継は韓国も同様、荒れている現場に記者が行ってスタジオと繋いでいる。面白いのは中継が終わる時にいちいち記者が名乗ること。当然テロップでも記者の名前は出るのだがレポートの結びは「〜以上〇〇(現場)から××(名前)がお伝えしました」。1度や2度なら気にならないが次々と結ぶ中継全てがそんな感じなのは、記者の地位?責任??が大きいからだろうか。そして台風は号数のみならず、日本では無視されている固有の名称(7号は「コンパス」)で伝えていたのが面白い。

MBC「特集ニューストゥデイ」。見出しは「台風の目通過・・秒速30mの強風」 特集KBS「ニュース広場」。右上の見出しは「“コンパス”午前8時ごろ上陸」


*見納め、食べ納め、買い納め

「済州家」付近にいた野良。韓国で野良犬は珍しい。そんなところにいると・・・喰われちまうぞ!

コーヒーの飲めないモーニングには見向きもせず、荷物だけ預けて早々にチェックアウト。念願のアワビ粥を食べに、徒歩で釜山タワーのふもとにある「済州家」へ。一昨日「うにの吸い物定食」を食べた店の南浦洞店〜こちらが古く、西面店は最近出来たらしい。私を含めて4組がいたが、日本人率は50%だった。

念願のアワビ粥は、凄い! という感じではなく、薄味で胃に優しいお味。大きなアワビのピースが数切れ乗っていて、全体は肝の色=緑色をしている。アワビは柔らかく、緑のお粥に付け合せの海苔を入れて食べると美味しい。これで10,000ウォン。現地での一食としては高価だが、700円ちょいでアワビが食べられるのだからたまらない。

「済州家 南浦洞店」西面店より店内は狭いまずはパンチャン(おかず)そして、アワビ粥!!

釜山に到着した日は「最終火曜は定休日」で入れなかったチャガルチ市場へ。噂通りのスーパー市場?で、見たことも無い魚介がうじゃうじゃしている。日本語での呼び込みが激しいが、見るだけだと韓国語で答えたら急に何も言わなくなった。

「釜山の名所チャガルチ市場」買った魚は調理してもらってその場で食べられる。時間が早く、まだ空いている水槽やザルに魚介がわんさかカモメをかたどった屋上公園。あいにくの風雨(台風接近!)だが釜山タワーが見える

チャガルチからほど近いところにある「農協ハナロマート」で最後のお買い物。E-MARTよりもずっと庶民的で地元に根付いている感じがする店だ。そしてここで初めてあのひと言を実践で使ってみた・・・「ファジャンシル、オディエヨ?」。猛烈にトイレに行きたくて近くにいた店員に聞いたら、1Fにありますとのことだった。ふ〜、言葉が通じてよかった。

安かったのでここでもホットク。右は一口サイズの韓菓(ハングァ)お粥の素。左:百歳薑黄(キョウオウ=春ウコン)粥、右:牛肉粥イカの塩辛焼酎の小瓶、ならぬ小ペットボトル(200ml)。左は500のペットで大きさの比較に


【買】 農協ハナロマート 土産他 W11,000

続いては、オープンしたばかりだというロッテ百貨店へ・・・しかしまだ開店の10時30分まで時間があり、光復地下商店街をブラブラ。地下商店街は数多あるが、ここの充実度はかなり高い。時間まで偶然見つけたマッサージを試してみる(15分1,000ウォン)。

マッサージと言っても、お金を入れて動くマッサージチェアが数台並んでいるだけなのだが、商店街に唐突に現れたことに興をそそられ、つい立ち寄ってしまった。そして予想通り・・・大きさが合わずに残念。肩に合わせるとふくらはぎを指圧する部分が足先になってしまい、足の甲を横からギューッとやられて痛い。この際脚は諦めて背中〜肩に照準を合わせるべきだったのだが、時既に遅し。もっと上に上がりたいのに足が固定されて動けず、頭蓋骨をモミモミされてしまった。

地下商店街に突如現れたマッサージ処。もちろん無人たびたび見かけたドギツイ犬達今夏オープンしたばかり、ロッテ百貨店光復店屋上は感じのいい公園になっている。ソウルタワーでも見かけた南京錠がここにも

ロッテ百貨店は見学のみ。屋上には展望公園があって晴れた日にはいいだろう。また吹き抜けには大掛かりな噴水があり、11時ちょうどになると音楽に合わせてちょっとしたショーが行われていた。この翌日、京都駅で似たような水のオブジェ?を見かけたが、規模が違う。完全にコンピュータ制御された現代の芸術だ。長いショーのごく一部、写真ではわかり難いので動画をUPしてみた。

注意!クリックすると動画が始まります
クリックすると動画が始まります!!(ボリューム注意)

最後の昼食は、先ほどの光復地下商店街に戻って冷麺にした。しかしまだアワビ粥の余韻でお腹は空いておらず、さらに水冷麺(ムルレンミョン)なのにかなり辛くて、最後の食事は多面的に苦しかった。食後は荷物を取りにホテルに一旦戻り、風雨激しかったためタクシーにてフェリーターミナルへ。運転手さんに天気のことを尋ねてみたところ、釜山は大丈夫じゃないですか〜とのこと。実際その言葉通り、フェリーに乗船する頃には晴れてきた。

光復地下商店街・中央洞側の端にあった「本物の味食堂」 日本で食べる冷麺よりも細麺でスープはシャーベット状

【昼食】 水冷麺 3,500W
【交】 タクシー ホテル〜国際フェリーターミナル W2,200


*アンニョン、釜山

行きの大阪ではターミナルが大混雑だったので早めに着てみたら、窓口は数人待ちであっさり受付完了。13時50分の搭乗手続きまで随分と時間を持て余してしまった。そしてここでも例の大阪のおっちゃん2人組に遭遇・・・。搭乗手続きを終えて乗船までの時間はちょっとした免税店があるので楽しめる。が、市場の激安価格に慣らされてしまった今となっては免税品も高くて手が出ず。

釜山国際旅客ターミナル2F待合所出国手続きの入口。電光表示は福岡行きコビー/ビートルの案内小さいながらも免税店がある乗船を待つ人達

帰りのフェリーは、行きほどは韓国人率が高くなく、また乗客も110名ほどとのことで非常にゆったりとしていた。行きと同じ料金のスタンダードだが、今度は2段ベッドが2列ある部屋。お喋りするには布団を敷くタイプの方が断然良いが、ゆっくり休むにはこちらが良いだろう。かなり狭いがカーテンを引けば自分だけの空間も作れる。4人部屋のところ今回は私の他に1人のみ。最初だけ挨拶をしたが、以後彼女は大阪到着までずーっとカーテンを引いたベッドに篭っていた。若いのに、勿体無いなぁ。

スタンダード(ベッド)の客室 ベッドには空間を利用してちょっとした収納がある。私のベッドは扉付き収納棚の蝶番がイカレていて扉は使えなかった

台風の影響で夜まではかなり揺れた。食べ通しだったためかちょっと気分が悪い。フロントで酔い止めは無いか尋ねると1本2,000ウォンというドリンクを出された。逃げ場が無い船上、悔しいけれど購入して飲んだら夕食時には収まって食べることが出来た。

小さくなっていく釜山の街建築中の橋脚?可愛い灯台酔い止めの効果。こんなに食べた(^^;;

【買】 酔い止め薬 W2,000
【夕食】 船内ビュッフェ ※事前申し込み制、ツアー料金と一緒に支払い

荷物を置いて船内をブラブラしていると、「こんにちは、私覚えてますか?」と、ある男性に声を掛けられた。この方、行きのフェリーで私が特室をお譲りしたご一家のお知り合いの韓国人。一瞬ご挨拶しただけなのに私のことを覚えていて声を掛けて下さるなんて! 彼は牧師さんをなさっていて今はご家族と一緒に姫路に在住。在日20年ほどにもなり日本語はペラペラなのだが、しばらく韓国語会話にお付き合いいただいた。帰りの船内では、行きのような賑やかさは無かったが(ノレジャランは大阪発のフェリーのみのイベント)この牧師さんのお陰で楽しく過ごせた。


*関門海峡

食事後、しばらくすると関門海峡を通過。行きに見られなかった分張り切ってデッキに行ったら、先の牧師さんもいらっしゃった。どっちがどっちだかわからない私に「右が九州、左が下関」と教えてくださる。暗くて良くは見えないが、流石「海峡」、狭いな〜。以前飛行機で東北上空から下北半島を確認した時にとても感動した記憶があるが、こんな風に地図を感じられる「狭さ」がたまらなく嬉しい。牧師さんとはその後船内のカラオケもご一緒させていただき、来日前に流行った古い歌謡曲を美しい声で歌っていらした。

酔い止めの効果。こんなに食べた(^^;;下関? 関門海峡付近関門大橋船内カラオケルーム

ところで、韓国人は呼称が難しい。その場限りの店員や運転手には「アジュンマ(おばさん)」「アジョッシ(おじさん)」で良いが、名前を知らない場合は相手と自分との年齢差や社会的立場を考慮して「クッチョク(そちら)」「ハクセン(学生)」「アガッシ(お嬢さん)」等々数ある中から適切なモノを選ばなくてはならないのだ。前述の「チョンガク(總角)」しかり。この牧師さんに対してもどう呼ぶべきか悩んで、最初は「モクサンニム(牧師さま)」と言ったりしたが下船する頃には「ソンセンニム(先生さま ※肩書きにも様をつけるのが普通)」になっていた。とりあえず目上でそれなりの立場の方には「ソンセンニム」が無難か??

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9月3日(金)


■主な旅程  10:00 大阪港到着、京都観光、22:00 東京行夜行バス

*のんびり船旅

瀬戸大橋通過に合わせて5時前には起床、短めながらぐっすり眠れた。が、しかし! 通過予定時刻(5時〜5時30分)よりも早く通過したようで、私がデッキに出ると瀬戸大橋は徐々に、後方に小さくなって行くところだった。ちなみにフェリーの出発自体も予定より10分ほど早かった。乗客は全員乗ったし出港の準備も完了、じゃあ早い分には構わないだろうから出発ー!ということか。

過ぎてしまった瀬戸大橋瀬戸内海に浮かぶ小島ハナロマートで買ったコーヒー「悪魔の誘惑/French Cafe/原豆コーヒーに関する4つの真実」明石海峡大橋を真下から見上げる。せっかくなので行きとは違うアングルで

【朝食】 船内ビュッフェ ※事前申し込み制、ツアー料金と一緒に支払い

朝食では同じテーブルになった同年代の韓国人女性と簡単な世間話をした。彼女は生地の買い付けで日本に定期的に来ており、今回もその仕事とのこと。そして食事中、またまた例の大阪のおっちゃん達がやってきて、私達の会話に参加してきた。おっちゃんAは生地業界に詳しく、連絡をくれたらどうのこうのと言って彼女に連絡先を渡すではないか。困った彼女は仕方なく受け取っていたが、社交辞令だから本気にする必要はなくやり過ごせばよいとアドバイスしたら笑っていた。ちょっぴり韓国語がわかるおっちゃんBに私達の会話がバレていなければ良いのだが。

船内コンビニで本当に最後の買い物。イ・ジュンギが歌うCM(♪「ミーニョヌンソンニュルチョアヘ〜」 ※左のリンクは動画!)で少し前に話題となったザクロの飲み物と、今回は食べる機会が無かったキンパプ(海苔巻き)を購入。行きのフェリーでは乗船・開店と同時に食料を買い占める若い乗客たちであっという間に商品がなくなったが、乗客110人の帰りは大阪まで十分な品揃えのままだった。

「美女はザクロを好む」 京都に向かう電車内で食べた「プルコギキムパプ」

【買】 船内コンビニ 飲み物、キンパプ W4,000


*猛暑の大阪へ

行きは釜山が近づくと船内には下船を待つ列が早くから伸びていたが、帰りはほどほど。私も出来るだけ長く船旅を味わっていたかったので、のんびりと準備をした。時に1ヶ月にも感じる4泊5日が終わろうとしている。楽しかったな〜。

下船を待つロビー 船とターミナルを結ぶ短いバス車内

下船後の税関チェックは、噂通り厳しい。私は申請するようなものは持っていなかったが、それでも念のためとスーツケースの開錠を求められた。担当したのはちょっと気の弱そうな中年男性職員だったが「一人で行かれたんですか」と意味ありげに聞いてくる。密輸は一人旅が多いからなのか、それとも単なる世間話だったのか。そして行きと逆経路でバスに乗り、コスモスクエア駅へ・・・

韓国第2の都市・釜山。隅々回れたわけでは無いが私が見た限り、観光地としてはある意味ソウルよりも上ではないかと思った。恵まれた自然、活気ある市場、程よくポイントが絞られた市内の見どころ等々。また今回は行かなかったが市内には有名な温泉地があり、日本人には魅力的だ。♪「トラワヨ〜プサンハンヘ〜(帰ってきてください、釜山港へ)」の歌の通り、是非また訪れてみたい街である。

そして旅はプラスアルファ・京都へと続く・・・

【交】 ・パンスタードリーム号 「大阪港」〜「釜山港」 ※ツアー料金に込み
   ・シャトルバス 「コスモスクエア」〜「フェリーターミナル」 無料
   ・大阪市営地下鉄中央線「コスモスクエア」〜(「本町」乗り換え)〜御堂筋線「梅田」 270円
   ・JR東海道本線「大阪」〜「京都」 540円

さて、この後は・・・

★もう一度旅を振り返る→トップにもどる
★街で見かけたオモシロいモノを見てみる→付録1 オモシロ!
★京都半日観光に出かける→付録2 京都散歩
★昨年のソウル旅行と比較する→09年12月ソウル

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