最終更新 060415

北海道の習慣・慣習


「北海道弁講座」にも書きましたが、
北海道はその地方や親の出身地、年代などにより
言葉や生活習慣・慣習も大きく異なります。

ここに記しているのは、あくまで私の経験に基づいたものですので
あらかじめお断りしておきます。更新随時。


★NEW★ 
お花見(おはなみ)

道南で4月下旬、道東ではソメイヨシノではなく千島桜が6月近くになって咲き始める北海道のお花見はとにかく寒い。真冬用のジャンバーに身を包み、ブルブル震えながらジンギスカンを囲むのだ。札幌・円山公園で行う職場の花見に数年間参加していたが、「5月の第2金曜日、夜7時から」が毎年変わらぬ日程であった。


寒冷地仕様(かんれいちしよう)

車のパンフレットなどをよーく見てみると、「寒冷地仕様」という言葉が載っている。一体どこから寒冷地なのかはわからないが、北海道で車を購入する場合はまず間違いなく「寒冷地仕様」となり、値段も定価よりもその分高くなってしまう。車の詳細な作りについてはわからないが、バッテリーの大きさが違うらしい。

そう言えば、ワイパーのスノーブレードとかウオッシャー液の冬期原液使用など、車一つとっても北海道というだけでお金のかかることは多いものだ。


玄関フード(げんかんふーど)

一戸建ての家では玄関扉のさらに外側に、温室のようなフードが取り付けられていることがある。寒い空気が家の中に直接入りこまないようにするためのものだが、雪かきのスコップや子どもの三輪車など物置としての利用価値も高い。


七五三(しちごさん)

北海道の七五三は内地よりも一ヶ月早くて、10月15日頃に行うのが一般的。まぁ、それもそうだ。札幌の初雪は10月下旬〜11月はじめなので、10月の七五三でも既にかなり寒い。


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ジャンケン(じゃんけん)

グー・チョキ・パーは勿論そのままなのだが、ジャンケンをする際の掛け声が微妙に違う。「ジャンケンポン、あいこでショ」のところ「ジャンケンショ、あいこでショ」と、初回から「ショ」なのだ。また何人かで2、3組のグループを作るとき、グー・チョキ・パーで同じものを出した同士チーム分けをするが、その際北海道は(2組の場合)♪グーとチーで合った人、(3組の場合)♪グーとチーとパーで合った人、となるが東京は2組の場合「グー・パー」らしい(節回しも違うと思う)。

しかし、一応私も大人なのでそうそうジャンケンをする機会がなく、この項についてはリサーチが行き届かない‥‥


★NEW★ 
修学旅行(しゅうがくりょこう)

私が学生時代を過ごした札幌の例で言うと、小学校〜洞爺湖、中学校〜十和田湖(青森・秋田)、高校〜京都・奈良が定番中の定番。高校の場合、私立では海外(韓国等)に行くこともあった。最近は公立でも飛行機利用が普通だと思うが、青函連絡船に初めて乗った中学校の修学旅行の際、津軽海峡でいるかのジャンプを見たのは良き思い出。

東京の人達は広島や長崎に行くことが多いらしい。距離の関係で北海道から修学旅行で出掛けるのは難しいと思われるが、学校行事でなければ行く機会も無いので、それも良いなと思う次第。


赤飯に甘納豆(せきはんにあまなっとう)

赤飯に入る「豆」は小豆やささげが一般的かと思うが、北海道ではそれに加えて「甘納豆」がある。デパ地下の赤飯売り場には、甘納豆と小豆、2種類置いてあるのがごく普通。甘納豆お赤飯はもちろん豆とその周りが甘く、慣れないとギョッとするかもしれない。

ちなみに実家の赤飯も甘納豆。赤い色は食紅を少々使って出していたが、それが当たり前で育ってしまった私は、成人するまで「豆の煮汁で色をつける」という常識(多分)を知らなかった。


七夕(たなばた)

七夕は普通7月7日だが、北海道では8月7日(仙台の七夕祭りも8月〜東北の一部も、か)。短冊に願い事を認めて竹に結んだり、笹の葉で小舟を作ったりするのは同じだと思うが、北海道の七夕のクライマックスは、夜。浴衣に身を包んだ子ども達が何人かのグループで近所を一軒一軒回って歩く。

♪ろうそくだーせーだーせーよーーだーさーないとーひっかくぞーーおーまーけーにーかっちゃくぞーー<蝋燭出せ出せよ、出さないと引っ掻くぞ、おまけにかっちゃくぞ
(「かっちゃく」=引っ掻くと同義)>

という独特の節回しの歌を大声で歌いながら、蝋燭のみならずお菓子をいただいて回るのだ。因みに私が子どもの頃は「用意が無いから」と言って小銭をくれたおばさんがいたものだ。


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暖房手当て(だんぼうてあて)

冬期の暖房代は馬鹿にならない。ガス・電気・灯油など器具にもよるが、一ヶ月数万円にものぼることがある。しかし、そんな時に心強いのが「暖房手当て」。残念ながら私はサラリーマン生活をしたことが無いので詳しく無いのだが、冬のある時期に一括で支払われるようだ。ちなみに、北海道でエアコンのある一般家庭はごく稀である。


灯油タンク(とうゆたんく)

家々の軒先や玄関付近には、米俵のような大きさの灯油タンクが設置されている。東京ではポリタンクを手に提げてスタンドに買いに行ったり移動販売車が回って来たりするが、冬期の北海道は消費量が違う。月に一度ほど専用車に来てもらい、まるで車にガソリンを入れるがごとくタンクを満たしてもらうのだ。また灯油を頼んだ時にはタンク周囲の除雪もしておかなければならなくて、ちょっとした一大事である。

ちなみに我が家は集中暖房だったので、ドクター中松が考案したと言う「灯油ポンプ」の扱い方を私は知らない‥‥


夏タイヤ/冬タイヤ(なつたいや/ふゆたいや)

東京に来て2、3年経った頃、車の話をしていてふと「夏タイヤ」と口にしたところ「何それ?」と言われたことがある。「夏タイヤ」とはいわゆる普通のタイヤのことで、逆に「冬タイヤ」はスパイク・スタッドレス・スノーなど雪道仕様のタイヤのこと。しかし現在はスパイクが禁止され、冬タイヤと言う替わりに「スタッドレス」と言うのが一般的。


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夏ダイヤ/冬ダイヤ(なつだいや/ふゆだいや)

上の「夏タイヤ/冬タイヤ」を書いていて思い出した。札幌の路線バスでは毎年春と秋にダイヤの切り替えが行われていた。冬は降雪などで慢性的に渋滞するためと思われる。が、冬のバス時刻は全く当てにならない。


★NEW★ 
夏休み/冬休み/春休み(なつやすみ/ふゆやすみ/はるやすみ)

東京の学校の、夏休みの長さは半端ではない。7月20日頃から8月31日まで約40日間もある訳だが、北海道の場合は概ね7月24日前後から8月20日前後まで。子どもの頃、既に学校が始まっていたので、24時間テレビを見るのに夜更かしが出来ず悔しかった記憶がある。

逆に冬休みは北海道の方が長くて、終わるのは1月17日前後(東京は7日頃)。春休みにはあまり差が無いが、卒業式の時期が小学校で3月17日頃、中学校15日頃、高校10日頃(私の時代)で、学校にも拠るだろうが東京よりも早いと思われる(私が知る限り、東京の小学校の卒業式は3月24日前後である)。
※時期は道内でも地域や学校(公私、地域、小中高等)に拠っても違いあり


納豆に砂糖/トマトに砂糖(なっとうにさとう/とまとにさとう)

北海道人は砂糖が大好き。普通に醤油で味付けした納豆に少量の砂糖を加えて食べるのはごく一般的。また私が子どもの頃は、夏の暑い時期、よく冷やしたトマトに砂糖をかけたものがおやつだった。そのほかにも我が家では餅の醤油にも砂糖をいれていた。


二重窓(にじゅうまど)

北海道の窓は普通のガラスに加え、室内がわにもう一枚木枠のガラス窓があるのが普通。上京した当初は室内にいても外との境が薄いような感じがして、居心地が悪かったものだ。


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★NEW★ 
飲み物いろいろ

【カツゲン】
北海道の子どもなら誰でも飲んだことのある乳酸菌飲料。私が子どもの頃はお子様ランチについてくる小瓶のそれが大好きだった。味は一般的な乳酸菌飲料よりも濃く酸味が強い。最近は紙パック入りでマイルドなお味の「ソフトカツゲン」しか見なくなったが、あの癖のあるカツゲンはもう‥‥?!

【ガラナ】
道内では非常にポピュラーな炭酸飲料。色は黒くて一見コーラ風だが独特の風味がある。私はこの風味のことを「薬くさい」と表現するが、それは決して不味いということではない。内地でたまに見かける「ドクターペッパー」や「チェリーコーク」に近いのではないかと勝手に想像しているが、それらを試したことが無いので判然としていない。「コアップガラナ」「キリンガラナ」等がメジャー。→写真はコチラ

この項、本来は「北海道の特産名産品紹介」とでも名づけて習慣・慣習とは別に設けるべきかと思いましたが、それはまた大変な‥‥ということで、当分こちらに収めておくことにします。


ママさんダンプ(ままさんだんぷ)

除雪用の大型スコップ。ショベルカーのショベル部分に持ち手がついたような形状で、両手で押して使う。なぜか色は赤で軽いプラスチック製のものが多い。除雪はかなりの重労働だが、夫や子どもの帰宅を待つ主婦の仕事となることが少なくない。なので名称に「ママさん」が使われたものと推察される。


融雪溝(ゆうせつこう)

除雪自体、大変な肉体労働なのだが、大雪が降った時にはただ雪をかけば良いというものではない。かいた(はねた)後の雪はどこか他のところに持っていかないと、道路脇にどんどん山となってしまう。そんな時に活躍するのが融雪溝。文字通り雪を溶かす溝で、一般の住宅敷地内(路面)などに設置されている。雪を投入するとセンサーが働き、炎がついて雪を溶かす。尚、使用しない時は、畳半畳ほどの鉄製の蓋に覆われている。

私が居た頃は「流雪溝(りゅうせつこう)」という名で、予め温水を流しておいた側溝に雪を投げ入れて溶かすものはあった。融雪溝はその発展型なのだろうか。最近の事情に疎い私に、兄がアドバイス。


雪押し/雪かき/雪はね/雪よけ(ゆきおし/ゆきかき/ゆきはね/ゆきよけ)

いずれも「除雪」を意味する言葉。私は専ら「雪かき」と言っているが、人により「雪はね」「雪よけ」等と言う場合がある。その使い分けが出身地によるものなのか、単に個人的なものなのかは不明。雪かきは、ゆるくない。

最近は「雪押し」なる除雪具が一般化しているらしい。ブルドーザーの先のようなアーチ状の物が柄の先についていて、「かく」のではなく「押す」のだそうだ。舗装路であれば力も要らずに便利に使える。


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